余韻を残して、揺れる感覚を広げる
ロッキングテクニックで大切にしたいことのひとつが「余韻」です。余韻とは、体を揺らして、それが波紋のように全身に広がる感覚です。
ロッキングテクニックの「ポーズ(小休止)」は、その余韻をより効果的にするための方法です。技術の後にごくわずかの間(「ま」、ポーズ=小休止)を設けることで、受け手に感じる時間を与え、余韻は効果的に全身に広がります。
ポーズの時間は、受け手のひと呼吸のときもあれば、ほんの2、3秒のとき、時には呼吸数回分のときもあります。ポーズの間、与え手は受け手から、完全に手を離し、できることなら一歩退いて、自分自身をリセットします。その間、技術の余韻は受け手の全身に広がります。
そういう意味ではポーズと余韻はひとつのセットになっています。
そこで、この余韻を効果的に使うために、ひとつひとつの技術の中で余韻をもっと強調してはどうか、と思います。ひとつの揺れを提案した時に、その揺れが余韻となって全身に広がるように技術をまとめることです。
それぞれの技術の中に「余韻」と言う要素を取り入れることで、ロッキングテクニックはより効果的になります。具体的には、余韻を残したまま技術を終える、と言うことです。別の表現をするならば、「揺れる動きを止めることなく、余韻を感じながら受け手から離れる」です。
ロッキングテクニックも含めて、ボディワークの中で「余韻」は、注目することもできれば、特に意味のない「存在しないもの」として扱うこともできるでしょう。どちらの可能性もあります。ただ、ロッキングテクニックの場合は、「揺らす」という技術の性質上、余韻はわかりやすく、全身に広がり、体の内部で響きを感じ、そこから自分自身の体の実感というものにつながりやすくなります。