ロッキングテクニックの基本6

ロッキングテクニック
目次

お腹のロッキングテクニック

お腹をひとつにする

今回はお腹(腹部)のロッキングテクニックを紹介します。

このテクニックは、は受け手が仰向けの姿勢のときに、お腹から全身を揺らす技術です。ここには、ロッキングテクニックの基本の「組織を一つにまとめる」が入っています。ここでいう組織とは、体の部分を指し、お腹もその一部です。

お腹の裏側は腰

お腹は骨に覆われていません。外界に開かれています。お腹は脳と同じくらいに大切なところでありながら、脳のように骨に覆われていません。この辺りが少し不思議に感じます。

お腹にはさまざまな内臓が収まり、体を支える重要な筋肉も存在します。また、お腹は体の中心であり、体の要であると言えます。

視点を変えれば、お腹の裏側は腰なので、お腹を揺らすことは腰を揺らすこととも言えます。それでは、今回はお腹を揺らしてみましょう。

中身をひとつにする
はんぺんの手

お腹のロッキングテクニックはお腹を一つにまとめることから始まります。お腹を一つにまとめるために必要なものは柔らかな手です。

この柔らかな手のことを、クラスでは「はんぺんの手」または「柏餅の手」と呼んでいます。そうです。あの食べ物の「はんぺん」です。なぜ、はんぺんなのかというと、それははんぺんのように柔らかく、まるで中に骨がないように、お腹に密着する手のたとえとして使っているからです。

「はんぺんの手」とは、どこにも片寄らないで、ペタッと「面」の感覚で体に触れる柔らかな手のことです。そこには個別の意図(片寄り)もなく、全体的に柔らかく体とつながります。

ロッキングテクニックも含めて、マッサージなどで受け手の体をとらえることを、体と「つながる」といいますが、この「つながる」ことの最も大切な要素は「面」です。

「つながる」ことを「力」で行おうとすると、しばしば表面的な関わりになってしまいます。全体的に深く「つながる」ためには力ではなく「面」で行います。手の平を使って、なるべく多くの面で体に触れます。

体はさまざまな曲線で構成されているため、手の平が作る面は、体の曲線にピッタリと密着する必要があります。その際に求められるのは、手の平の柔らかさです。その柔らかな手のことを「はんぺんの手」と呼んでいます。

ロッキングテクニックでは、はんぺんの手を使ってお腹を一つにまとめます。一つにまとめるとは、表面だけでなく、お腹の中身も一緒に一つにまとまることを指します。

全身とつながる
束ねる感覚

ひとつにまとめたお腹を揺らします。このとき、全身のつながりを感じながら揺らします。別の言い方をすると、お腹をハンドルにして、お腹から全身を揺らします。これを行うためには、手の平を使ってお腹を一つにまとめ、上半身と下半身のつながりを感じとる必要があります。

その時、イメージを使って「上半身と下半身のつながり」をリアルなものにします。お腹を一つにまとめるとき「束ねる」という感覚を持ってください。例えば、頭から足までを長いパスタの束だとイメージしましょう。

そして、そのパスタの束を中央部分(お腹)でひとつにまとめて束ねます。バスタの上下の結びつきを感じながら、揺らします。揺らす動きが生み出すバスタのしなりを感じましょう。

数回お腹から揺らしたら、ポーズをとります。ポーズとは小休止のことです。お腹から手を離し、一歩後ろに下がります。この何もしない瞬間に、揺らした余韻、その波が全身に広がります。ロッキングテクニックにおいてもっとも心地よい瞬間です。

いかがでしょうか。お腹のロッキングテクニック。お腹から全身がリラックスし、腰も楽に感じることでしょう。

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