老いの恩恵 その8 改訂版

バイオグラフィーワーク 老いの恩恵

力と努力で乗り切らない

これはロッキングテクニックのクラスで、しばしぼ提案していることです。

練習中に何らかの難しさを感じたとき、その難しさ、困難さを力と努力で乗り切ろうとしない、ということです。

「難しさ」には、原因があるわけで、その原因を見ることなく、力と努力で乗り切ろうとしても、何も改善しないです。

そもそもそのようなことをしても、技術は向上しないです。

では、どうするかと言うと。

ポーズ 小休止、間をとる

「難しさ」への最も簡単で、そして効果的な対策は、ポーズ(pause)を取ることです。ポーズとは、小休止・間(ま)のことです。

ロッキングテクニックのポーズは、受け手の体から完全に手を離し、自分自身の気持ちと体をリセットします。手を離して上半身を解放するだけでなく、一歩退いて、下肢から全身をリセットします。

この「一歩退く」というのが重要で、下肢=土台からリセットしないと、全身は変わりません。

ポーズの時間は、ひと呼吸程度ですが、それが2、3秒の時、それ以上の時もあります。ただし、この時間は、考える時間ではありません。自分を白紙にする時間です。

その後に、何の新しいアイデアがなくても、もう一度同じことを行います。

もちろん、「難しさ」に対して100%ではありませんが、僕の経験ではかなり有効です。少なくとも、実際にお客様を迎えてのセッションの時には、これだけと言っても良いでしょう。

一歩退く

このポーズのことは、このnotebooks801というサイトで何度も取り上げています。なぜ、この「老いの恩恵」でも取り上げたのかというと、人生というステージでもポーズは必要だと気づいたからです。実際、僕の場合、ポーズの有効性を心底理解できるようになったのは、ある一定の年齢、人生の後半からです。

その頃には、力も体力も落ちてきましたから、余計にポーズのありがたさを実感できるようになりました。特に一歩退くということが、新しいものの観方につながります。

先日、マニ教の本を読んでいたときに、「悪とは、時と場所を間違えた善に他なりません」というフレーズがあって、なるほどです。「難しさ」も観方を変えれば、他のものに見えてきます。

なので、今では毎日の生活でもポーズばかりです。何か、難しさ、困難さを感じたとき、一歩退き、ポーズを取っています。

つづく

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