老いの恩恵 その7 改訂版

バイオグラフィーワーク 老いの恩恵

7について

今回で「老いの恩恵」は7回目となりました。

7という数には、「突進」「行動」「探求」という意味があります。タロットカードの「7戦車(マルセイユ版)」を見れば、なるほどです。

7とは、質の違いに気づいて、その違いの落差を突進することです。興味を持ったテーマを、とことん追求するのは7の現れです。

例えば、子ども頃はカレーと言えば「○ウス○―モントカレー」しか知らなかった人物が、成長して社会に出たところ、世の中にはインドカレーやタイカレーがあることを知って、驚愕し、そこからスパイスの研究に突っ走るというのは、7の探求です。

また、7には7つごとに物事が進行するという意味もあり、ドレミのオクターブの法則などがその代表です。

ドイツの思想家、シュタイナーは7について「時間的に配列されたものはすべて、7という数を基準として整頓されています。」と語っています。地球の進化や人間の成長(7年周期)、7惑星などにそれを見ることができます。ちなみに空間は12と言っているのも興味深いです。

7年周期

「7つごとに物事が進行する」を、人間の成長に重ねると、「男女七歳にして席を同じゅうせず」がまず頭に浮かびました。6歳までは男の子も女の子も一緒でいいけど、7歳からは別々にというものですが、これは第一次性徴に対応したものでしょう。

それから幅はありますが、歯の生え変わりの時期、女性の月経周期や皮膚のターンオーバーは28日(7×4)、第二次性徴、思春期の高まりは14歳、ついでに古希の祝いは70歳です。

先ほどのシュタイナーは、人生を7年ごとの周期に区切り、それぞれの段階で、人間は特定の成長を示すという人生の7年周期について語っています。興味深いのは、この7年周期が身体や運動能力の成長だけでなく、思考、感情、意志といった人間の魂や精神の成長も含めて示していることです。

人生の三つの時期

シュタイナーは63歳までの人生を、7年周期を元に3つに分けました。それは「受け取る」「交流」「与える」の3つで、この3つは人間の成長に応じたものです。

最初の「受け取る」時期、これは誕生から20歳前後までです。この時期は、周囲の環境からあらゆるものを受け取り、模倣し、そして学びます。この時期は身体の成長と基本的な感情の育成が中心となります。

その次が「交流」の時期、20歳後から40歳前後です。特にこの時期は社会的な活動が高まり、多くの人と交わることでしょう。さまざまな経験を重ねることで人間的に成長し、自分の人生というものが徐々に明らかになってきます。

最後の「与える」時期は40歳前後から60代、そしてそれ以降の年齢です。これまでの人生で多くのものを受け取り、交流の中で成熟させたものを、世界に与えることになります。特に後半になってくると身体能力は衰え、責任や野心といった社会的要素との距離も徐々に広がってきます。

このような「与える」時期では、身体や社会からの影響が減少することから、本来の「自分」というもが現れやすくなってきます。このような時期に、果たして自分は何を世界に与えることができるか、という問いが生まれます。

僕の場合

現在の僕は「与える」時期に入っています。50代までは、それほど深く実感することはなかったのですが、60代に入った頃から「与える」時期であることを意識するようになりました。

そして、ひとつの問いが生まれます。

それはまさに、「いったい何を与えることができるのだろうか?」です。

多少、思い悩みもしましたが、結局は、これまで携わってきたことがすべてなので、それらをひとつひとつ見直し、整理しつつ、すべてを提供することになります。受け取っていただける方がいらっしゃると良いのですが、同時に誰もいなかったとしても、これは僕の人生の作業でもあります。

再び7に戻りますが、7の「突進」「行動」「探求」は、ある1点に引き寄せられるという意味があります。つまり自由に目標を設定するのではなく、何らかの働きで設定された1点に向かっていくということです。

最近になって思うことは、中学校時代の自分に戻っているという感覚です。もうしばらくすると小学生に戻りそうです。「与える」時期になったからこそ、いろいろなものを手放して、元の自分に戻っていくのかもしれません。

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