老いの恩恵 その9

老いの恩恵 バイオグラフィーワーク
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老いと妊娠中の散歩

先日、知人と妊娠中の散歩の効果について話をしているとき、ふと、これって「老いの恩恵」と重なっている…と思いました。

というのも、僕は鍼灸院時代、「産みやすい体づくり」をテーマに妊娠中の方のケアを行ってきたからです。そして…

妊娠中の散歩は、出産のための「体づくり」です。散歩をすることで、少しずつ大きくなっていくお腹を、自分自身で支えることができるようになります。それは出産のための体づくりであり、産後の回復のための体づくりでもあります。

妊娠中の散歩には、もうひとつ効果があります。それは産後の生活のための「心づくり」です。

心づくりとは

妊娠中の散歩を続けると、多くの妊婦さんが、歩くことの心地よさと、体の快適さに気づきます。

また歩いていると、普段は気づくことのなかった日常の面白さにも気づくようになります。「近所なのに、こんなお店があったなんて知らなかった」です。そして何よりも、歩くことで体調は良くなります。

ここにあるのは、シンプルな生活と体の心地よさです。その心地よさは「何にもなくても幸せ」という感覚へとつながります。

この「何もなくても幸せ」という感覚、心の在り方が、産後の生活を支えてくれます。産後は赤ちゃん中心の生活となり、妊娠前と同じような生活にはなりにくいからです。

何もなくても

この「何もなくても幸せ」に、僕もなれるだろうかと思いました。

年齢を重ねると、今まで、できたことができなくなります。それは体力であり、能力であり、気力の衰えです。僕の場合、最初に来たのが目の疲れと集中力の低下です。今では好きな読書も休み休みです。

ついでに、良い意味で社会との距離も生まれました。かつてあった社会的な欲望や野心、そういったことからも距離が生まれました。実際、そういったものは段々とめんどくさくなってきます。

そうは言っても、かつてのような「いろいろなこと」ができなくなった、ということも事実なので、何もなくても幸せ、という感覚、そんな境地が大切になってきます。

というわけで、毎日の散歩を心がけています。理想は手ぶらで、目的もなく、1時間以上の散歩です。ただ真夏は流石にバテバテなので、体と相談しながら、時間を選んで、日傘をさして歩いています。

つづく

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