老いの恩恵 その5 改訂版

バイオグラフィーワーク 老いの恩恵

未来が目の前にやってきた

ここ一番

僕はGジャンが好きで、GパンよりもGジャンの方が好みです。ある時、いい感じのGジャンを見つけて買ってきたところ、うちの奥さんから「いつ着るの?」と聞かれました。すかさず僕は「ここ一番という時だよ」と答えました。ところがGジャンを着るような機会はなかなかありませんでした。

というのも、その当時、住んでいた神奈川県旧藤野町は山間部のため寒暖の差が激しかったことと、中央線の通勤に便利だったため、上着はもっぱらマウンテンパーカーでした。実際、パーカー1枚あれば、真夏以外は十分です。

そのようなわけでせっかく購入したGジャンもタンスの中で「ここ一番」の時を待つことになりました。

ところが、60代に入り自分の老いに気づき始めると、残り時間(寿命)が気になります。最近は著名人の方の訃報が続き、なかでも60代や70代で亡くなった方もいらっしゃるので、自分の残り時間はあとどのくらいだろうか、と思いました。

そうなると「ここ一番」は、今この瞬間です。先延ばしにしてきた未来が、気がつけば目の前にやって来た、というわけです。

未来は今ここに

「老いの恩恵」のひとつは、「終わりが見えてくる」ことです。永遠だと思っていた未来が、具体的な残り時間となってあらわれ、ある程度先が見えてくる、というわけです。

どう考えても、これまでと同じ時間を生きることはできませんし、今のコンディションがこのまま続くこともありません。そこには「老い」があります。

そうなると「いずれは…」とか、「ゆくゆくは…」とかはなくなります。「家が片づいたら…、時間の余裕ができたら」もなくなります。

2023年は暑い日が続き、10月に入っても日中はTシャツでオッケーみたいな日が続いたので、なかなかGジャンの出番はありません。魂のファッションとして室内で着ようかと本気で思いました。それでもここ数日は気温が下がってきたのでようやくGジャンの出番です。

まわり回って今

ここから先に書くことは、僕にとって少々楽しみでもあり、「さて、どうしようか…」というものでもあります。

今回「未来が目の前にやってきた」というテーマを取り上げました。歳をとったことで、まだまだ先だと思っていたことが目の前にやってきた、ということです。

僕は、これまで仕事で健康づくりに関わってきました。その中には老いや生き方、死に方に関わることもありました。若いころは、思うがままに自分の考えをアウトプットしてきました。

ところが、60代半ばになった今、老いと生き方、死に方が具体的なテーマとして、自分の前にあらわれました。

まさに「まわり回って、今ここに」です。そのようなわけで、これからの自分が楽しみです。

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