老いの恩恵 その1 改訂版

老いの恩恵 その1

僕の魂は、成長しているのだろうか?

こんにちは。

「老いの恩恵」をテーマにブログを書き始めることにしました。きっかけは、natural tableで「老い」について取り上げたことからです。というのも、僕も60代半ばとなり、そろそろ自分自身の老いを実感し始めたからです。

こちらに以前、natural tableで取り上げた動画と記事をリンクしました。ご覧いただけると幸いなのですが、その中で僕は、ずいぶんと立派なことを言っています。

何が立派なのかというと「歳をとると魂が成長する」です。少し別の表現をすると「歳をとることは、魂が成長する可能性をもたらす」です。

こういうのはブーメランみたいなもので、発言者に、つまり自分自身にそのまま返ってきます。つまり、「僕の魂は、果たして成長しているのだろうか?…」です。

そもそも老いの恩恵とは?

ルドルフ・シュタイナーのアントロポゾフィーから誕生したバイオグラフィーワークでは、63歳までの人生を3つに分けています。

  • 0歳から21歳  心身の養育期
  • 21歳から42歳 魂の成長期
  • 42歳から63歳 霊的成長期

0歳から21歳は心身の養育期です。この時期は、体を育てることが第一とされ、成長と共に学校教育も始まり、人間としての基本的な要素が育まれ、やがて社会に向けて一歩踏み出すことになります。次の21歳から42歳は魂の成長期です。社会人としての活動も本格的になり、人と社会に揉まれることで、魂は成長します。

ただ魂の成長といっても、まだまだこの頃はむき出しの若い魂です。僕自身、失敗の連続だったし、思い出しただけで赤面することだらけです。それでもさまざまな経験を重ねて、大人の魂、成熟した魂へと向かっていきます。

さて、問題の42歳から63歳の霊的成長期です。体力のピークは30代ですが、それでも40代はまだまだ力があります。といっても50代に入ると明らかに以前とは違ってきます。その辺りから「さて、これからどうしようか」といった問いが出てくるのではないでしょうか。

僕自身の経験でも老いを実感し始めたのは50代はじめです。いい意味で体力も落ちてきますから、若いころの衝動や欲望、感情の高まりから解放されてきます。しだいに社会とも距離が出てきて気軽になってきました。

もちろん、若い頃の衝動や欲望、社会での上昇志向や責任は、決して悪いものではありません。むしろ、それぞれの年代にはそれぞれの課題があり、その年代らしい充実した毎日を送るべきです。

しかし、年齢とともに体力も低下し、社会からも遠ざかってくると、そろそろもうひとつの楽しみがあってもいいのではないか、と思います。それが僕の考える「老いの恩恵」です。

この「老いの恩恵」というものは、まるで一回りしてやってきたプレゼントみたいなもので、ようやく素の自分と出会うことができたという感じです。いい意味で、人生も下り坂だし、そろそろ大人としての魂の成長を願いたいし、それがもっと大きな意味での成長、霊的な成長へとつながることができたなら…と思います。

これから何回かに分けて、僕自身の「老い」と「魂との向かい方」について取り上げます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

この記事は2023年にnatural tableに掲載されたものに加筆しました。

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