ロッキングテクニックと羽衣
周囲の空間とともに動く
先日、ロッキングテクニッククラスで、参加のみなさんに「羽衣をまとったように動いてください。」と提案しました。
「羽衣… はて?」と思われるかもしれません。表現を変えると、「周囲の空間とともに動いてください」です。
羽衣(シルク生地など)をまとうと、羽衣と体の間に空間が生まれます。そのまま動くと周囲の空気の存在も感じることができるでしょう。これは周囲の空間を感じとり、空間とともに動く体験です。
これはシルクだけで体験できることです。コットンでは、布地が体にぴったり付いてしまい、羽衣と体の間に空間が生まれません。
マッサージでも、そのほかのボディワークでも、あたかも羽衣をまとっているように動くと、体がその周囲の空間とつながって、空間とともに動くことになります。
内と外がつながる
このとき何が起こっているのでしょうか。
このとき内と外がつながっています。内と外とは、体と外部であり、心の思いと体の表現であり、技術のやり方と実際の体の動き、つまり全体性です。しかも内から外への一方通行ではなく、外からも内へと伝わります。
このとき技術はひとつになり、受け手の変化を感じつつ、体に働きかけることになります。
同じようなことを、別の言い方で表現することもあります。それは「ひとつの技術(動作)の過程を時間と共に感じとる」です。
ロッキングテクニックでも、一般のマッサージでも、技術が上手くできない時は、技術そのものが分断されています。バラバラです。しかも、パッとやってしまっています。瞬間芸です。技術の流れも、受け手の存在も感じることはできません。
うまく伝わったでしょうか。
「空間と共に動く」ことを、お風呂の実験で説明してみます。
周囲の空間とつながるための試み
水中で動く
周囲の空間とつながるためには、その空間を感じる必要があります。どうしたら、その空間を感じることができるでしょうか。それを具体的に体験する方法は、水中で動くことです。
水中では、空気中よりも周囲の空間(水)の存在がより明らかになります。その状態で手足を動かすことで、周囲には空間(水)に気づき、その空間とともに動くことを実感できます。
水には抵抗があります。力でその抵抗を押し切ることもできますが、周囲の水と調和しながら動くことを試みます。お風呂の実験はよい方法です。手をお湯の中に入れ、最初はお湯の存在を無視して、ひたすら動かします。
もう一つの方法は、お湯の存在を感じ取り、お湯の温度、抵抗感に従って手を動かします。この二つを行うと、手の動きによって起こるお湯の動きの違いを実感できるでしょう。
発展形 体内の水の動きを実感する
この感覚をさらに発展させます。今度もは体の内側の動きを感じてみます。体の60%は水分だと言われています。そこで体を動かすときに、体内を水が移動する感覚をイメージしてみましょう。これはあくまでも「想像の世界」です。
体を前に動かす、すると体内の水も前に動く。後ろに動かす、体内の水も後ろに動きます。体内の水は流れています。体の動きが終わったとしても、体内の水はわずかの間、動き続いています。まるで動きの余韻、波紋のような感じです。
体の知恵を引き出す
今回は羽衣や、お風呂の実験をご紹介しました。これらはすべて感覚やイメージを通じて、技術の質を変える方法です。同じことをやっていてもまるで違う、テキスト通りに行っても何かが違う、このような時は、感覚やイメージを重ねることで、同じ技術が生き返ります。これは体の知恵を引き出す方法です。
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