腕のロッキングテクニック
今回は仰向けの腕のロッキングテクニックをご紹介します。
腕は体のなかでもっとも自由に動く部分です。腕が羽のように軽かったとしたらどんな感じでしょうか。
腕は、心と深いつながりがあります。心が軽やかだと腕も軽くて、心が重くなると、腕もずっしりと重くなります。
腕には肩、肘、手首、指などたくさんの関節があるので、ロッキングテクニックでもいろいろな可能性があります。今回は画像のように、手首から腕をブラブラと揺らしてみましょう。
手の重さを
感じながら持ち上げる
ロッキングテクニックのコツ

受け手の腕を持ち上げるときは、いつも腕の重さを感じながら持ち上げます。
降ろすときも、重さを感じつつ、重さといっしょに降ろします。
重さを感じるとは、何グラム?と考えることではありません。重さを体で感じて、感じるように体を使うことです。
重さを感じ、重さとともに動くこと、これはロッキングテクニックのコツです。
抵抗を感じたら ポーズをとる
もし腕を持ち上げようとした際に、重さを感じなかったら、それは受け手が緊張から、コントロールを手放していない現れです。
緊張も「抵抗」のひとつです。そのとき、最初に行うことはポーズ(小休止)をとることです。
ポーズとはごくわずかな時間の間(ま)をとることです。それは一瞬の時もあれば、一呼吸、数秒のこともあります。
時には、肩から指先に向けて、腕の形を感じるように手の平でさすること(軽擦法)も役立ちます。軽擦法は受け身な技術ですから、受け手に安心感をもたらします。
再び動きを与えるときには、抵抗が生じない程度の小さな動き(範囲)で持ち上げます。そして、またポーズです。
問いかけは可能性をひらく
重さを感じたなら、腕全体を持ち上げます。この際に、受け手の肘や肩にとって最も抵抗の少ない角度、速度、ルートを感じながら持ち上げます。そのとき、「もっと抵抗のないルートってどこだろう?」または「もっと簡単に動かすにはどうしたらいい?」と問いかけながら、持ち上げてください。
これは頭で考えることではなく、私たちの体から智恵を引き出す方法です。「問いかけ」にはそのような効果があります。これはボディワークのマジックのひとつです。
手首と肘のつながりを感じる
手首から持ち上げるとき、重力とともに手首や肘の関節のつながりを感じます。そのつながりの質感に意識を向けます。体の部分と部分を結ぶ感覚です。そのとき「手首のつながりってどんな感じだろう?」と問いかけます。
抵抗を感じたなら、腕の重さにしたがって、腕を床(マッサージテーブル)に戻し、ポーズをとります。
そしてまた同じことを繰り返します。持つところを手首から手のひら、手指と変えてみると、細かな関節のつながりも感じることができます。
重さを感じて、重さを揺らす
腕を十分に持ち上げたら、重さを感じながら、その重さを揺らしましょう。
小さく、ゆっくり探るように揺らします。そこに動きの自由さを感じたなら、その範囲内で数回揺らします。そして重さとともに腕をおろして、ポーズをとります。揺らす感覚は「ロッキングテクニックの基本2」でご紹介したけん玉のことを思い出してください。
肩を探る、感覚に留まる
コツがわかったら、腕を持ち上げて、肩の関節の状態を探ってみましょう。
「肩はどんな感じだろう?」と問いかけます。もし抵抗を感じたなら、ポーズをとり、受け手を観察します。動きを小さくすることや軽擦法をおこないます。
抵抗があるときほど、たくさんのポーズをとります。
腕の自由な動きとその安全を確認したならば、その動きの感覚をよく味わいましょう。急ぐ必要はありません。その感覚に留まりながら動きを感じます。これにより、受け手の方も同じように動きを感じることができます。ポーズをとりながら受け手に「いかがですか?」と質問することも有効な方法です。
今回は腕のロッキングテクニックを紹介しました。文章にすると長々としたものになりますが、実際にはとてもシンプルです。重さを感じながら腕を揺らして、体に波を送ってみましょう。
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