ロッキングテクニックの基本5

ロッキングテクニック

腕のロッキングテクニック

今回は仰向けで行う腕のロッキングテクニックに焦点を当てます。腕は体のなかで最も自由に動く部位です。同時に心や感情とも深いつながりがあります。そのため、心が軽快なときには腕も軽やかであり、心が重いか感情に滞りがあるときには、肩から腕、そして首に至るまでが重く感じられることがあります。

腕には肩、肘、手首、指など多くの関節が存在し、そのためロッキングテクニックには多彩な動きの可能性があります。今回は、次の画像のように、手首から腕をブラブラとゆるやかに揺らしてみましょう。

手首の重さを
感じながら持ち上げる

ロッキングテクニック

受け手の腕を持ち上げるとき、常にその腕の重さを感じながら持ち上げます。降ろす際にも、その重さを感じ、重さと共にゆっくりと降ろします。これがロッキングテクニックの基本です。

もし腕を持ち上げようとした際に、重さを感じなかったら、それは受け手がコントロールを手放していない現れです。これも「抵抗」のひとつですから、その場合は、抵抗が生じない程度の小さな動き(範囲)で持ち上げます。何度かポーズ(小休止)を取るとよいでしょう。

時には、肩から指先に向けて、腕の形を感じるように手の平でさすること(軽擦法)も役立ちます。軽擦法は受け身的な技術ですから、受け手に安心感をもたらします。

重さを感じたなら、腕全体を持ち上げます。この際に、受け手の肘や肩にとって最も抵抗の少ない角度、速度、ルートを感じながら持ち上げます。そのとき、「もっと抵抗のないルートってどこだろう?」または「もっと簡単に動かすにはどうしたらいい?」と問いかけながら、持ち上げてください。

これは頭で考えることではなく、私たちの体から智恵を引き出す方法です。「問いかけ」にはそのような効果があります。これはボディワークのマジックのひとつです。

手首と肘のつながりを感じる

手首から持ち上げ始めると、重力とともに手首や肘の関節のつながりを感じ始めます。そのつながりの質感に注意を払ってください。体の部分と部分を結ぶ感覚です。そのとき「手首のつながりってどんな感じだろう?」と自分自身に問いかけることは良い方法です。

途中で抵抗を感じた場合、腕の重さに従って、腕を床(マッサージテーブル)に戻し、ポーズ(小休止)をとります。そしてまた同じことを繰り返します。手を持つところを手首から手のひら、手指と変えてみると、少し細かな関節のつながりを感じることができます。

重さを感じて、重さを揺らす

腕を十分に持ち上げたら、腕の重さを感じながら、その重さを揺らしてみましょう。小さく、ゆっくり探るように揺らし始めます。もしそこに動きの自由さを感じたなら、その範囲内で数回揺らします。そして重さとともに腕をおろして、ポーズ(小休止)をとります。揺らす感覚は「ロッキングテクニックの基本2」でご紹介したけん玉のことを思い出してください。

肩を探る、感覚に留まる

なんとなくコツがわかってきたら、腕を持ち上げながら、肩の関節の状態を探ってみましょう。「肩はどんな感じだろう?」と問いかけます。もし抵抗を感じたなら、受け手の様子を注意深く観察し、さらに動きを小さくすることやポーズ(小休止)をとります。抵抗がある場合ほど、小さな動きとたくさんのポーズをとります。

腕の自由な動きとその安全を確認したならば、その動きの感覚をよく味わいましょう。急ぐ必要はありませんので、その感覚に留まりながら動きを感じます。これにより、受け手の方も同じように動きを感じることができます。ポーズをとりながら受け手に「いかがですか?」と質問することも有効な方法です。

今回は腕のロッキングテクニックを紹介しました。文章にすると長々としたものになりますが、実際にはとてもシンプルです。重さを感じながら腕を揺らして、体に波を送ってみましょう。

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