この本は、著者が老年期に入ったヘルマン・ヘッセとユングのそれぞれの人物との訪問時の対話や、やりとりした書簡を記したものです。
著者がふたりと初めて出会ったときの年齢は、ヘッセが73歳、ユングが82歳の時です。前半がヘッセ、後半はユングのパートです。ヘッセとのやりとりはなんとも心温まるもので、ユングは死の直前までの、きらめくような内容の対話と手紙が掲載されています。
この本を見つけた時はあまりのタイトルのかっこよさに飛びつきました。タイトルは『ヘルメティック・サークル』です。
実際に読んでみて、正直、嫉妬しました。若い著者がこの二人と友情を築き、訪問を心待ちにされ、長い手紙をやりとりしたことです。本当にいいなと思います。