床とマッサージテーブルとの違い
notebooks801 のクラスには床で行うボディワークがいつかあります。床で行うオイルトリートメントや床で行うロッキングテクニック、身体を穏やかにする床のワークなどです。
鍼灸院時代は、床で整体法を行っていたので、床で行うワークにはとても親しみがあります。自分ではとりわけて東洋的身体観にこだわっているつもりはないのですが、床のワークを行うと、自然に丹田に意識が集まり、なるほどと思います。
さて、床とマッサージテーブル(マッサージベッド)では、ずいぶんと世界が違います。床は上の空間を使うことができますが、下の空間は使うことはできません。
床のワークでは、与え手(施術者)は正座から立ち上がって上の空間を使うことができます。反対に、下はまさに床ですから、それ以上の下への空間の広がりはありません。
マッサージテーブルはその反対です。テーブルは上の空間は使いづらいのですが、下の空間は使いやすいです。ですからマッサージテーブルでは、下の空間で、足(下肢)を使うことができます。それはステップ(歩くこと)や、下肢からの動きを作ること、そして立っている分だけ、ポジションの取り方に、多少の余裕(幅)があります。
床のワークでは、下の空間を使うことはできません。つまりステップ(歩くこと)を使って手足に長いストロークを行うことや、下肢の持つ弾力や動きを使えないということです。それだけ床のワークでは、床に適した技術が必要になります。
特に床では正座や膝立ち、跪座(きざ)などの姿勢を取るので、立位よりもポジションの取り方に厳密さが求められます。それは角度や受け手の距離などです。その分、床のワークでは技術上の安定感が生まれますし、圧迫法では容易に圧が加わります。
受け手の立場に立つと、床にはなんとも言えない安心感があります。マッサージテーブルが不安定というわけではありませんが、床に横たわると、特別の安心感があります。畳の部屋でゴロゴロしている感覚を思い出してください。
そんな感じです。